児童家庭福祉の研究
保育科長(教授) 鈴木 永二
教育社会学の視点から児童家庭福祉における研究を進めています。児童虐待や経済的困難な家庭を研究対象としています。
近年、児童虐待およびDV(ドメスティック・バイオレンス)の件数が上昇しています。保育者の視点から大崎広域圏を対象に児童虐待およびDVの減少を目指し、支援策を研究しています。
今後の研究課題として、大崎広域圏の関係機関と連携をし、研究を進めていきたいと考えています。
感情から受ける脳の記憶と心身への影響
教授 北澤 和美
人は、「人とコミュニケーションをとる手段、自分の心を人に伝える手段として何を使用していますか」と問われれば、多くの方は「言葉」と解答します。確かに言葉は、人と人とがコミュニケーションを取り合うために重要な媒介手段に違いありません。しかし心は言葉だけでは伝わりません。
科学的データを紐解くと、人が相手の意思を受け取る割合は、言葉からが7%、準言語(言い方)からが38%、非言語からが55%なのです。非言語、つまり表情や視線、身振り手振り、姿勢や声の調子なのです。口先で発せられた言葉からだけでは、人の心の真意を伝えあうことはできないのです。特に表情は大切、その中でも恐怖の表情は本人の意識とは無関係に脳の感情記憶として残り、心身の成長にも影響を与えています。
脳で受け取る感情とそれにともなって分泌されるホルモン、そしてその心身への影響を捉えたカウンセリングに取り組んでいます。
社会学を対象とした指導法研究
教授 井坂 亨
本研究は社会学を対象とした保育指導法の研究をしています。調査研究として、保育環境を対象としており、アクティブ・ラーニングの有用性を明らかにしています。
また、アクティブ・ラーニングのみならず、ピア・ラーニングを導入し、保育者として必要とされる基本的能力を身につけられるよう研究を進めています。
今後の研究課題として、保育者の基本的能力の1つである「コミュニケーション能力」を対象に研究を進めていきます。
表現を育む保育者を目指して
教授 石森 小緒里
保育者を目指す学生との関わりの中で、豊かな人間力に繋がる「表現教育」の在り方について、造形活動を中心に研究を行っています。
表現は、目に見えない心の内側に在る世界を外に表し出すことによって、漸く視覚化され自分以外の人とその世界を共有することが可能となります。この、表しだす行為を「表し」という言葉で置き換えられることがありますが、その表しの結果として視覚化されたものが「作品」となります。保育者にとって、特に着目していきたいのが「表し」の部分と考えます。
幼少期の子どもたちが、日々の生活の中で様々な表しの過程を体験し、じっくり味わうことで豊かな表現力が育まれ、このことが生きる喜びに結びつく手助けとなることを願っています。